予測が外れると大変です

3年前にリフォームをされた住まい手から
グランドピアノを譲ってもらうことになったので
それに合わせピアノを置く部屋の床補強の相談がありました。

3年前におこなった工事内容は、既存宅の見た目の造りが良く
住まい手ご家族が生活するには2階を改装すれば十分でした。
当時の工事では筋違いが入っていない壁や、
天井を空けると途中で梁が途切れていた部分などありましたが、
リフォームをすることで、問題は解消できました。

今回は前回に触っていなかった1階を工事することになりましたが
原設計者がまとめた製本(詳細の書き込み有り)が残っていた為、
その資料をもとに床補強の内容を住まい手と工務店に説明。

工事の内容は、既存床を撤去して、新たに下地材を組み直し
ピアノの自重により将来に床が下がっても再度調整できるように、
点検口を新たに取り、鋼製束を使い対応する予定でした。
(鋼製束を防湿コンクリートの上に数多く建てる予定)
月曜日から土曜日までに終わる段取りで調整していました。

当日、工事が始まり現場から連絡が入り、
既存床をめくると土が丸出しで、有ると予測していた、
床下の防湿コンクリートはなく、いきなり工程変更が生じました。
床下の寸法も図面と全然違っていて新たにコンクリートを打ち増すと、
点検口を取っても人が入れない隙間になるほどでした。
(現場はオイオイという雰囲気)

既存宅の1階に点検口が1ヶ所も無かったのは、
床下の施工状態を隠すためでは思うほどです。
見た目は良い建物ですが、重要な基礎や耐力壁がなおざりになっているのでは
原設計者と当時の施工者のどちらにも良識を疑います。

それでも、工務店にも臨機応変に変更案に対応してもらい
予測が外れると大変ですが、なんとか予定通りに終わりそうです。
現場の職人皆さんご苦労様です。

床材は木童さんから「しなの松」を供給してもらいました。良材です。

関西・大阪・北摂(箕面・池田・吹田・豊中)を拠点として
建築・住宅設計をおこなう ストック建設設計事務所