薪ストーブの注意点

寒さのピークも過ぎ春を間近に感じます。
薪ストーブのシーズンもあと少しとなりました。
この時季になると、拙宅ではたまに問題が起こります。

薪ストーブは本体と煙突をセットで設置することになります。
私の設計では煙突は屋根貫通を標準としています。
煙突からの放射熱が部屋暖め、掃除も曲がりが
無いので煤が残りにくい利点があります。

屋根を貫通することは屋根に穴を開けることになるので
雨水を止める工夫が必要です。
屋根形状に合わせ、煙突のフラッシングと
屋根板金の納まりをしつこいぐらいに検討します。
幸い、薪ストーブを設置した住まい手から薪ストーブの煙突部分からの
雨漏りが起こったと連絡をもらったことはありません。

ただし、拙宅は煙突のフラッシング部分から漏ります。この時季に!
最初は私の監理不足による施行不良と思っていたのですが、
一年を通すと雨の日に必ず漏ることもなく、暴風雨でも漏りません。
一度、屋根の上から煙突を解体してフラッシングを外して確認したところ
屋根から伝って漏った形跡は残っていませんでした。

でも原因は判りました。フラッシング内の断熱不足でした。
屋根全体は外断熱で囲まれていてもフラッシング内は
煙突の防火を兼ねた耐火断熱材が入っているのですが、
隙間が多くこの部分で結露が発生した為です。
春先の霧雨の日や湿気を帯びた生暖かい日に限り
結露漏りが起こります。

拙宅の設置以降はこの部分にも断熱材の設置工夫をおこなっています。
奈良の王寺町で行なった薪ストーブの煙突設置作業の途中です。
板金の上にフラッシングを取り付け後にその奥にある
シルバー色の材料がフラッシング内に充填する耐火断熱材です。

外部だけでなく内部にも取付しています。

設置された薪ストーブはPecan-oven(ピキャンオーブン)

薪ストーブ設置工事は単純な構造ですが、
割高でも専門業者に施工を任せすることをお奨めします。

関西・大阪・北摂(箕面・池田・吹田・豊中)を拠点として
建築・住宅設計をおこなう ストック建設設計事務所