モラル

豊中にて個人住宅の新築工事が始まりました。
確認申請では手間取りましたが、解体工事の途中です。
敷地内に高低差があり、低い位置から隣地にかけても
段差があります。道路から見ると2段形状の造成です。

古屋は敷地内の土留めを兼ねた高基礎として作られています。
33年前に確認申請の届出はあっても検査済み証がないので
既存ヨウ壁、基礎とも安全であるかの検証は難しく
撤去後に新設することが、最良の方法になりますが、
建設費の捻出、工法を考えると選択肢ではありません。
今計画では、既存ヨウ壁、基礎を残しながらの新築工事です。


写真は上屋を解体した状態で、右隅の木組みが古屋の1階床です。


この写真は1階の床組みを撤去したあとの写真です。
土の中からは既存の束石が見えています。

古屋の高基礎が全容をみせたところです。
本来ならば高基礎の中は、埋め戻しの土が充填されている筈が
空洞になっていて、1階の床組みを束受けの作り方ですが
柱と変わらないぐらいの長さで支えていました。
基礎配筋は判りませんが、巾、高さを測ると土を充填していなかった為
土圧を受けずに基礎、上物とも自立していたものと思われます。

解体作業を見ながら33年前にこの建物工事をおこなっていた
施工者達のことを考えいました。技術的に自信があったのか、
工費が厳しくて仕方が無かったのか、何も考えていなかったのか等、
よくこの工事内容で引き渡したなと思います。

この敷地の並びは同じような敷地形状、建設時期も同時期だと思われます。
この解体作業を近隣の方が見られて驚かないか当時の施工者に
やり場の無い怒りで重たい気持ちになりました。

夏の終わり頃に完成する工事が始まりました。

竣工写真がこちらにてご覧になれます。

関西・大阪・北摂(箕面・池田・吹田・豊中)を拠点として
建築・住宅設計をおこなう ストック建設設計事務所