七転び八起きの申請

今年の年始早々から手続きしていた建築確認申請が
ようやく決済されました。木造2階建て専用住宅の一戸建てです。
異例の審査期間です。物凄く疲れました。

様式の書き込みや図面の訂正で時間が掛かったのではなく、
現況敷地と建物の内容について、一つ一つ質問に答えるやりとりで、
こちらとしては、一気にまとめて質疑があれば良かったのですが、
思うようにはできませんでした。

現況建物です。解体後に建替えです。一般的な古屋。道路側の写真


道路と反対側の隣地です。隣家は平屋ではなく2階建です。


2枚目の写真のガレージは地盤でなく人工地盤になっていて
2m弱の高低差があります。その先に隣地があり2mほど下がっています。
既存家屋は敷地の低い位置に高基礎の形状で建てられていて、
敷地内段差の土留めも兼用した形です。
基礎でなければ2段ヨウ壁になり、当時でも建設不可でした。


3枚目の写真の見返し。

道路側から隣地までは4m程の高低差がありますが
宅地造成区域外になるので、計画前に当該市役所の
建築指導課に相談に行っても、基準法内の内容以外は
指導内容がないので、民間の検査機関で相談をと
他人事のような対応をされていました。
現況の図面、写真を持参して説明しても、全く興味のない感じで、
既存家屋は33年前には確認の届はあるのですが
「検査済み証がないので、設計者の判断で安全性の確認を。」
安全確認の方法を聞くと、答えは無く、「検査済み証がなければ、
基礎、隣地ヨウ壁を解体するしかないのでは?」こんな感じです。
言っていることに間違いはありませんが・・・

個人的な意見ですが、建築工事完了後に検査を受けるために
建築主もしくは代理人の設計者が手続きをおこなう義務があり、
合格後に建築物の使用ができることになるのですが
役所の指導課も確認が出ていて、その後何も手続きがなければ
そのまま放って置くのはどうかと思います。

申請書には工事期間も記入する欄があるので、
期間を超えて手続き無ければ、自ら現地の確認も必要です。
そうすればこの敷地のような問題も減ると思っています。

今回の建築主はこの敷地を購入されての新築です。
以前の建築主は建売の状態で購入されていました。
壊せないような既存ヨウ壁がある、敷地の建て替えでは
どの時点で問題に突き当たるか、
今後も各地で同じようなことが起こると思います。

この計画では、既存ヨウ壁、基礎を残しながら、
新築ができるように計画をおこないました。
計画前に何度も審査機関にも相談しながらプランを進めたのですが、
確認の段階になって、検査機関で判断できず、市の指導課に
意見をもとめるなど、右往左往していてそのために、
審査期間が長かったのですが、誤魔化す事も無く確認済み証を
受取る事ができ、ようやく工事が始められます。

竣工写真がこちらにてご覧になれます。
関西・大阪・北摂(箕面・池田・吹田・豊中)を拠点として
建築・住宅設計をおこなう ストック建設設計事務所