プレカット打合せと材木検品-1

豊中にて地形を引き継ぐ家の工事経過です。
基礎の工事中に、構造材の検品とプレカットの打合せをおこないました。
場所は宮崎県にあるランバー宮崎協同組合にて。

私の設計及び監理には分離発注にて工事を行なう部分があり
構造材及び、加工するためのプレカットがその内容の一部になります。
木造住宅の重要な部分は構造体になる木材ですが、
一般に流通している木材の梁・桁材は3mもしくは4m材になります。
構造的に、継ぎ手をつくりたくない為に特注寸法での組み方が
必要場合は乾燥材を入手することは難しく、私の場合は設計中に
先行発注をおこない、事前に用意をしてもらっています。

プレカットする前には特注寸法の木材であっても
十分乾燥された材料を入手できます。その材木の検品です。

木材供給担当は都城木材さんで、
拙宅で始めてお世話になってからの付き合いになります。
今回も忙しい中、T部長さんに立ち会ってもらいました。
この会社には木材の乾燥に関しての特徴があり、
遠方の九州から取り寄せるだけ価値のある材料を
いつも出荷してもらっています。

写真は用意してもらった柱材です。乾燥している状態が
こぐちの割れに現れています。写真だけでは判りにくいので補足です。

この会社の材木の出荷工程です。まず、山から立ち木を伐採後に丸太から
製材された大割(製材寸法より大きい)にプレドライという工法をおこないます。
体育館ほどの大きさの倉庫自体が室温と湿度を調整されていて、
その中に必要期間、桟積みされます。

立ち木の時は枝がバランスよく伸びていることによって、
倒れないようになっているのが、伐採後、枝を取り、
丸太にすることによって、伸び縮みの力が大割に残っている。
その状態で乾燥釜に入れ人工乾燥をおこなっても、
ストレスが抜けないままなので、割れ捻りがでてしまう。

プレドライは人間に例えるとぬるま湯につかって、ストレスをのぞく役目です。
その後、乾燥釜に木材を標準の倍の時間入れる
余裕のあるスケジュールで動かれています。
出荷された木材の特徴は材木の表面に割れが出ません。
無垢材でも割れない材木をつくるにはどうすれば良いかを、
長年自社で研究されている成果です。

この写真は木材の含水率を測っています。
かなり乾燥しています。国産材を利用していますが、分離発注にて、
支払いのやり取りは住まい手と直接、業者の間で成立するため、
柱、梁一本の金額も明確になりその中には中間マージンが発生することなく
適正な金額で良材をお渡しすることができます。

竣工写真がこちらにてご覧になれます。

関西・大阪・北摂(箕面・池田・吹田・豊中)を拠点として
建築・住宅設計をおこなう ストック建設設計事務所